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2006年06月号 掲載

サンタクルス要塞 
 
関 洋人 (大洲市在住)

サンタクルス要塞で
 二十九日朝、レシフェから車で約一時間程のイガラスーの海岸へ。名物のサヨリの揚物をつまみながら海辺でおしゃべりをして、ゆったりと流れる時を楽しむ。友人は、またぞろ、本人を前にしてへジーナが「とにかく嫉妬深くて困る」「怠け者でいつも眠ってばかりいる」などと不満を並べ立てた揚げ句、あろうことか、日本語で「最近、へジーナに違和感を感じる。これが彼女との最後の旅になるかも知れない。」とまで言い出した。当のへジーナは友人が何を言っているのか全くわからないからただニコニコ笑っているだけだ。私は、へジーナに「彼がちよっと他の女性を見ただけでも君が機嫌を悪くすると言っているが、それは本当か?」と尋ねてみた。へジーナ曰く。「ここ(ノルデスチ)の女性は、男性を誘惑することしか考えていないから、常に気をつけておかないと危ない」。

サヨリの揚物
 へジーナに「もっと自信を持ちなさいよ」と言うと、彼女はとまどったような表情をして、「自信ねえ」とひとこと応え考え込んだ。
 昼食は、すぐ近くのシーフードレストランで。めずらしいグラビオーラとサポチのジュースが出た。とてもうまい。食後、イタマラカーのサンタクルス要塞を巡った。レシフェの隣街オリンダへ。
 (つづく)

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