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2007年01月号 掲載

イキトス(ペルー・アマゾニア)
第 4 回 パイチェのセビッチェ
関 洋人 (大洲市在住)

- 夜のイキトス市街 -
 全く初めての街なので、道がわからない。通りがかりの男に店の名を言って場所を尋ねると、またまた親切にも、「自分について来い」と言ってわざわざ店まで同行し、店の中まで案内してくれた。もちろん、初対面であったが、この男とは後に何度も出会うことになった。彼はイキトスの旅行会社で客引きをやっているパブロと言う男だった。
 そのレストランは、店の雰囲気からすると多分この田舎街イキトスでは最高級のレストランに違いない。広々とした店の中は客1人なく、ガランとしていた。
 ここ、イキトスに来たら食べないわけにはいかないパイチェ(ピラルクー)のセビッチェ(マリネの様な料理。ペルーの名物料理)、魚入りヤキメシ、ヤシの芽のスープなどを注文。
 料理の出来るのを待っている間に、隣の席に男が1人座った。当地では余り目にすることのなかった携帯電話(セルラー)で始終、話しているケータイ男だった。前方に置いてあるテレビでは『ホット・ゾーン』というエボラ出血熱の映画をやっている。
 パイチェのセビッチェは、皿の中央に細切りのパイチェの身とタマネギのスライスを混ぜ合わせたものが盛られ、脇に茹でたサツマイモ、ユカイモ、トウモロコシが添えられている。この盛付けと取り合わせは、この後食べた何のセビチェでも基本的には同じだった。使われている香草に独特の匂いがあるため、慣れるまで、日本人は少し抵抗を感じるだろう。魚入りヤキメシには、プラタノ(加熱調理用バナナ)と目玉焼きが添えられ、目玉焼きの下には、なんとパイチェのフリッタ(フライ)が隠れていた。値段はこういう店なので2人で60soles(2500円ほど)。普通の店に比べると無論高いが内容からすれば高いとは言えない。流石にトイレも清潔で、トイレットペーパーもきちんとついていた。
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