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2009年07月 掲載
スペシャライズドのBGFIT‐B-SHOP OCHIで
 自分の自転車を自分の体に合せる
編集人

- 西条市B-SHOP OCHIで、店長の越智健二さんにBG-FITをしてもらった -
http://www.b-shop-ochi.com/info/top.htm
http://www.b-shop-ochi.com/info/bgfit.htm
 自転車に乗るようになって2年、ロードレーサーに乗りはじめて約1年が過ぎた。だんだん体も慣れてきたのか、ゆっくりではあるが、毎日、1日平均約30キロ走り、平均時速20キロ強で、1日に100キロ以上走ることも出来るようになり、疲れもそれほど残らなくなった。しかし、肩や首回りが凝ったり、腰が少しだけ痛くなる日もあり、時々マッサージをしてもらったりすることもある。マッサージの人に、筋肉がずいぶん張っていると言われるので、自転車の乗り方が我流で、体に負担があるのかも知れないなどと思っていた時に、西条市の越智自転車の越智健二さんに、BG-FITの話を聞いた。当たり前の理屈だが、人間の体形や筋肉、関節の特徴は千差万別だ。BG-FITは、アメリカのスペシャライズド社が開発したフィッティングのシステムで、その様々なライダーの体の形、例えば左右の脚の長さの違いや、関節の軟らかさ、硬さ、脚の向きなど、自転車のペダリングと関係の深い要素毎に、細かく調べて、自転車とのフィッティングを行うものだそうだ。
 要素毎に、フィッティングがきちんと行われると、ライダーのそれぞれのレベルに応じて、高いペダリングパワー、快適性、痛みや故障のないサイクリングが可能になる。ビギナーからレースに出る選手にいたるまで素晴らしい効果があったという実績があるという。越智さんは研修を受け、BG-FITで、既に20人以上のライダーのフィッティングを行った。私も早速お願いすることにした。
 約3時間近くかかる。実際のやり方と効果については、スペシャライズドの厶ページやマウンテンバイクの五輪代表になった竹谷選手のプログの体験記を見るとわかりやすい。

   http://cdn.specialized.com/bc/microsite/bgfit/bgfit.html
   http://www.takeyakenji.com/07/2008/04/bg_fitbody_geom.php

 最初に体を調べ、靴のクリートの位置を厳密に決め、ローラー台で実際に自転車を漕ぎながら、設定の変化によるペダリングの変化を細かくチェックしながら、フィッティングを進めて行く。 結果から言うと、私のような自転車ビギナーにも、とても大きな効果があった。ビギナーから経験者に近づいてきたときに、このシステムできちんとしたフィッティングをすると、体の故障の少ない、安全で怪我や事故の少ないサイクリングに大きく前進出来るという確信のようなものが湧いてきた。フィッティングが、終わった後は、ハンドルバーの下を握って漕いでも、頭が下がらなくなり、前を自然に見る乗車姿勢を取っても、首や腕、肩周りの緊張が大きく緩和された。竹谷選手の「より円滑なペダリングが出来るようにもなってきています。加えて、脚の外側の筋肉の張り、股関節の硬さも少なくなってきて、肩周りや腕の疲労は格段に減りました」という感想を読んだ時は、私とはレベルが違うのは言うまでもないことだが、全くその通りだと言う気がした。竹谷選手は、今までのフォームで乗り込んでいるので、そこに、ニュートラルというか、基準点的な感覚が出来てしまっていて、新しいフォームに違和感を感じてしまうこともあったという。しかし、1週間、10日と日が経つにしたがって体が適応し、従来の乗り方への違和感も消えてくるとのことだ。その感じも良く分かる気がした。最初は軽い負荷でのスムーズなペダリングを心がけ、新しいフォームに慣れていくことが大切だという。私たちのようにビギナーの場合は長い経験を持って体を作ってきたベテランより、かえって適応が早いかもしれない。
 とにかく、このフィッティングで得られたリラックスした乗車姿勢が安全と体の故障予防に大きな効果があるのは確かだと思う。これが一番大切なことではないだろうか。初心者には、安全で楽しい自転車生活を送るために、バイクのグレイド・アップをもとめるより、はるかに優先性の高い有用なシステムではないだろうか。費用はフィッティングの結果もたらされる効果に較べれば納得が行く程度の金額だ。
 BG-FITは、繰り返しになるが、スポーツの安全と体の故障を未然に防ぎ、ストレスのない自転車生活を続けるために、私のような自転車ビギナーにこそ、恩恵が大きいと思う。