過去の連載記事
同じ年の連載記事
2001年12月号 掲載 
「おイネ通学みち」点描
 
 十月二十四日の毎日新聞朝刊、佐竹通男編集委員の連載「古道山歩」の題は「おイネ通学みち」。シーボルトの娘おイネさんが、卯之町で医院を開業していた父の弟子二宮敬作の家から宇和島城下神田川原の村田蔵六(大村益次郎)の居宅まで洋学修学のために通った片道約二十六キロの道を紹介する記事であった。十一月下旬の連休に、佐竹さんが案内に立っておイネさんが通った旧道を踏破する読者参加の「おイネ通学道」ツアーが行われたので同行させてもらった。バス併用で、片道をじっくり歩くという企画である。二十九歳、晩学のシングルマザー、おイネさんの気迫が伝わる道と佐竹さんは言われたが、一緒に歩いてみて、納得した。早朝に卯之町を出て十時過ぎに宇和島着、季節にもよろうが、夕方日の落ちるまでに卯之町に帰るには二時には宇和島を立たねばならない。敬作の甥弁次郎、後の三瀬周三も同行したから、行き帰りの道は予習復習の会話で過ぎたことであろう。私たちは、法華津峠旧道の石畳、峠頂上からの法花津湾と宇和海の展望、吉田陣屋町など途中の見所をじっくりと楽しみながら、三時過ぎに宇和島城下、神田川原の村田蔵六居宅跡に到着した。

宇和町卯之町の二宮敬作居宅跡で

朝の法華津峠旧道にて

法華津峠頂上

吉田町の横堀に残る雁木(船着場)


宇和町卯之町の二宮敬作居宅跡で

朝の法華津峠旧道にて


旧道を黒の瀬へと登る

神田川原の村田蔵六宅跡

御舟手の家

本町と御舟手を分ける水路にかかる界橋


 
Copyright (C) TAKASHI NINOMIYA. All Rights Reserved.
1996-2012