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1998年08月号 掲載
第 19 回 冷たいトマトのスパゲッティをつくる
宇和町卯之町駅前 ステーション 
 
 

ステーションの冷たいトマトのスパゲッティ。
ガーリック・トーストが付いて800円。
ステーション/TEL0894-62-6231 毎週月曜日定休
カウンターの上の葉っぱはスイート・バジル。
苗が簡単に入手できるから、初夏に2株も植えておけば、 家庭で食べる毎日の分くらいは充分に採れて重宝する。
 今年の夏は、早い。そして、蒸し暑い。宇和町、卯之町駅前レストラン「ステーション」の横手さんに、もとはナポリで始まったという、さわやかな味わいの冷たいトマトのスパゲッティの作り方を教わったので、さっそく試してみた。とてもかんたんでおいしい。
 まず、トマトの皮をむく。(熱湯をかけると簡単に手でむくことが出来る)。次に皮をむいたトマトを乱切りにする。四人前で五、六個を適当にザクザク切ればよい。種を取る必要はない。どんぶりでも、小さ目のボールでもよい。にんにくを半分に切って、すりおろして加える。オリーブオイルをたっぷり(四人前で大さじ四、五杯くらい)、さらに微塵切りにしたスイートバジル(葉っぱ三枚程度、小さじ一杯くらい)とオレガノ小さじ半分を加える。塩をやや多いかなと思うくらいと、コショーを好みの量だけふりかけてよくまぜあわせる。これを冷蔵庫で、最低でも二時間以上、ぎんぎんに冷やすのである。麺は、食べる前に、好みの硬さにゆでればよいが、太さは八分ほど茹でるという表示のものか、それよりも細目のものがよいだろう。茹で上がったら、ざるに開けて湯を切り、皿に盛る。そして、さきほどから、冷やしておいたトマトをたっぷりとかけて一気に食べる。麺も冷やしても良いが、茹でたてに冷たいトマトをかけても充分涼味が味わえる。

乱切りにしたトマトに、にんにくをおろして入れる。
 もとは、ナポリの郷土料理というこのスパゲッティは、トマトの酸味と甘味、バジルとオレガノの匂いが絶妙にとけあって、食欲を増す。暑い夏の昼食に最適の一品といえよう。ステーションでは、茹で上がりの麺に自家製のブイヨンをさっとあえて、味に深みを増しているが、家庭ではその必要はないだろう。夏のトマトの味だけで充分に楽しめるスパゲッティだと思う。
 
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