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2002年08月号 掲載
第 58 回 MTBライダーが集まる店 
焼鳥 山鳥 
今治市末広町1417 
TEL0898-22-7188 

四国最速のライダー。
山鳥二代目門田基志さん。

山鳥の前に集まったMTB仲間。

一階で。
 雑誌「サイクルスポーツ」編集長の八幡浜市民スポーツパークのMTBコース取材に同行し、今治の焼鳥屋さん「山鳥」のジャージを着た人たちに出会った。黄色と水色の颯爽としたベルギー製のジャージの表には、「焼鳥山鳥」をはじめ清酒会社やビール会社などスポンサーの名前が目白押し、背中には「焼鳥山鳥」自慢の「目に言う(メニュー)」が見える。
 焼鳥屋の大衆的な雰囲気とマウンテンバイクのモダンで趣味的、お洒落なイメージとがなんとなくミスマッチでおもしろい。見ていると、チーム「山鳥」の人たちは、おたがいにきつい冗談を飛ばしながら楽しそうに走っている。気のいい陽気な人たちばかりのようだ。
 「焼鳥 山鳥」は、今治で20年の暖簾をほこる焼鳥屋さんで、その2代目若大将が四国最速のマウンテンライダー門田基志さん。門田さんと仲間たちがチームの名前を決めるとき、みんなが集まる「焼鳥 山鳥」の屋号がチームの名前になった。一度、自称日本一という、名高い今治の焼鳥を食べてみたいと思っていたのだが、「山鳥」の人たちといろいろ話しているうちに、じゃあ、次の日曜日に大宴会をするから来なさいよというありがたいお誘いを受け、さっそく出かけてみた。

皮を焼く。

せんざんき」。今治を代表する郷土料理。名前のいわれには諸説あり。中国語起源説が有力とか。

末広町界隈。

タレの焼鳥。
 山鳥のある四つ辻の対角線側は廃業しているが琴、三弦の店、向かいは画廊、隣は自転車屋さん。どことなく懐かしい雰囲気がそこはかとなく漂う街角である。店は5月に改築オープンしたばかり。一階はカウンターと掘り炬燵式テーブル席。2階には宴会のできる座敷がある。カウンターの中では、額に汗を滲ませながら厚みのある鉄板に山盛りの皮を炒めたり、今治でもっとも知られた郷土料理「せんざんき(下味をつけた鳥の唐揚げ、店によって味が様々)」を揚げたり、直火の焼鳥を網で焼いたりと宴会の準備に大忙し。仲間が揃い、生ビールで乾杯。さて、初めて味わった「せんざんき」は一つ食べ終わったらつい手が伸びるほどのおいしさだった。そして焼鳥はタレ。今治では、塩ではなく、タレの焼鳥が人気であるというが、さすがにおいしい。肉の旨味と適度な歯ごたえがタレの味によくあっているなと思った。焼鳥のあとは、ヒラメの活き作りが登場。「山鳥」は1階のメニューにある通り、魚も飛び切りの店だった。そして安い。またぜひ食べに行きたい店である。
 
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