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2004年11月号 掲載

 
リオ・デ・ジャネイロ 
関 洋人 (大洲市在住)

コルコバードの丘のキリスト像の前で
 ホテルのレストランへ朝食に。ブラジルのホテルは通常、朝食が込みだからいっぱい食べないと損だ。ちょっと気張って食べ始めると、席についたテーブルの脚の長さが不揃いで絶えずガタつき、食べづらいこと夥しい。ウェイターに文句を言うと、『Sim senhor』(はい、旦那様)と言ってどこかに消えた。だいぶ経ってから戻ってきたウェイターは段ボールの切れ端を短い脚の下に折って敷き、『Ja nao tem problema』(もう問題なし)と言ってニッコリ。眼前のコパカパーナの海岸には鳩が多い。一説に海岸の砂の中に棲む虫を食べに集まると聞いたがどうも怪しい。一度砂を掘って探してみたことがあるが、それらしい虫を見つけることはできなかった。鳩が食べ尽くしてしまったのかもしれないが、観光客の残飯でもあさっているといったほうが当たっているのではないだろうか。
 食後、ホテルを出て、先ずお上りさんの定番、コルコバードの丘のキリスト像へ。生憎の霧で視界は最悪。このキリスト像はニューヨークの自由の女神像とぴったり向き合うように建設されているという。これについてブラジルには、自由の女神が海を隔てて「あんた!私のお腹の子供の責任を取ってよ!」と迫っているのに対して、キリスト像が「そんなこと、俺知らないよ」とばかりに肩をすぼめ、両手を広げたポーズでかわしているという有名なピアーダ(冗談)がある。ジョーク一つにも土地柄がしのばれる。私たちはしばらく霧に霞んでほとんど何も見えない自由の女神の方を眺め、記念撮影をした後、フェイラ(青空市)をひやかすために、コルコバードの丘を下った。
(つづく)

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